「わたし(神)はあなたとともにいる」創世記31章1-19,36-55節  2020.2.2 港キリスト教会

  「わたし(神)はあなたとともにいる」創世記31章1-19,36-55節

 ヤコブ(40歳代?)は、騙した兄のエサウの怒りを恐れ、母の兄ラバンが住む地に逃げた。その後、叔父ラバンのもとで20年間仕えた。ところが、叔父ラバンのヤコブに対する態度が以前とは違っていた。ラバンの家畜を元手に、さらに家畜を増やしたヤコブを心穏やかに見られなかったために、お互いの関係にひびが入った。人間関係で悩む人が多い。それが起因して心を病む人も後を絶たない。さて、このような人間関係の回復のために信仰は有益かを見ましょう。まず、神はヤコブにラバンから離れて故郷に帰るように命じられた。その結果は、ラバンとの関係が修復された。難しい人間関係において、まず神の導きを祈り求めることが大切である。ただし、こじれた人間関係に心を奪われすぎて、神との関係に支障が生じないように気をつけたい。その後、ヤコブはラバンに黙って、家族とすべての家畜を連れて父イサクの住むカナンの地に旅立ったが、ラバンは彼らが逃げ出したことを知り、彼らの後を追いかけた。そこでラバンは、なぜ逃亡者のようにして出ていったのかとヤコブを問い詰めた。ところが、ラバンは夢の中でヤコブとは論争しないようにと告げられていたので、ヤコブには何の危害も加えかった。確かに、こっそりとラバンから逃げるというヤコブの人間的な弱さが露呈した。しかし、神は夢によってラバンの気持ちを変えておられた。つまり、ヤコブが知らないところで神のご配慮があった。

「神は私の苦しみとこの手の苦労を顧みられ、昨夜さばき(ラバンが見た夢)をなさったのです。」と語られたように、神は私たちの複雑でデリケートな人間関係の中にご介入してくださる。なぜなら、神はヤコブの人生にご自身のご計画を持っておられるからであり、あなたを離れず、決して捨てないと約束されていたからである。

 神は、私たち一人一人にご計画を持っておられる。そして、人生において様々な悲しみや悩みや労苦といった試みを経験する。しかし、神はヤコブと同じように、決して私たちを見捨てず、離れず、とともにいて下さり、励まし、助けて下さるのである。

「わたしはあなたとともにいる。」この神の約束をしっかりと握るなら、どのような状況の中にあっても、神は私たち一人一人に生きると力と勇気と励ましを与えて下さる。