『地上生涯を終えて神の国へ』 創世記47章1―31節 2020.7/5 港キリスト教会

   『地上生涯を終えて神の国へ』

            創世記47章1―31節

  ヤコブの家族70人は、カナンでの激しい飢饉から逃れエジプトに寄留した。そして、ヨセフの知恵と機転で、ヤコブの家族はエジプトのゴシエンの地に住むことができた。ゴシエンの地は、エジプト人のための家畜が飼われていた所であり、ヤコブにとっては、異教や異文化による悪影響が及ばない所での生活が確保できた。

 多神教で古い文化による数々の風習や習慣の中で、私たちの信仰生活が守られるための知恵が与えられるように、神様に祈り求めましょう。

 その後ヤコブは、エジプトの王ファラオと謁見し王を祝福した。ヤコブは、たとえ異教の王であっても、神の民である誇りは失わなかった。そして、王の前で自分の人生を振り返り、いろいろな苦労はあったが、地上での生涯は天国に至る旅路であり、自らは旅人であることを堅く信じているという心の声が聞こえる。

 さて、エジプトに来てから17年後、いよいよヤコブの臨終の時が来た。そこで、ヤコブは自分の亡骸を、先祖の地に葬るようにヨセフに依頼した。それは、ヤコブの思いはこの世にではなく、イサクやアブラハムのいる天の御国にあった。

 人それぞれ、色々な人生を送る。しかし、すべての人に共通していることは、人は必ず死を迎えることである。

 ヤコブは、創造主であり、唯一なる神信仰による確かな死生観をもって、生涯を全うしょうとしている。

 そして、イエス・キリストを信じ、永遠の救いに預かっているクリスチャンもまた、この地上生涯において、この世だけに心を向けて生きるのではなく、永遠の神の御国を目指しつつ、今置かれているところで、それぞれの人生を全うして行きましょう。

「これらの人たちはみな、信仰の人として死にました。約束のものは手に入れることはありませんでしたが、はるか遠くにそれを見て喜び迎え、地上では旅人であり、寄留者であることを告白していました。」

    (ヘブル書11章8−13節)