「あなたが願う通りに!」
マタイ15章21-28節
悪霊につかれた娘の癒しのために、異邦人(カナン人)の女が、「主よ、ダビデの子よ。私をあわれんでください。娘が悪霊につかれて、ひどく苦しんでいます。」(22節)と叫びつつイエスのあとをついて行くが、イエスは何も答えられなかった。
それは、彼女を無視されたのではなく、彼女の信仰を試されたと思われる。祈って答えがないと疑心暗鬼に陥りやすい。そのような時はみことばを信じたい。「確かに神は聞き入れ、私の祈りの声に耳を傾けてくださった。ほむべきかな。神。神は私の祈りを退けず、御恵みを私から取り去られなかった。」(詩篇66篇19,20節)
さらにイエスは、「わたしは、イスラエルの家の失われた羊以外のところには遣わされてはいません。」(24節)と語られるが、女はひれ伏して「主よ。私をお助けてください。」(25節)と懇願。
しかしイエスは、「子どもたち(イスラエル人)のパンを取り上げて、子犬(異邦人)に投げてやるのはよくないことです。」(26節)と答えられた。
それは、実に冷たい言葉であった。しかし母親はたじろぐことなく、「主よ。そのとおりです。ただ、子犬でも、主人の食卓から落ちるパン屑はいただきます。」(27節)と返答。
彼女は、不条理と思えることを受け入れた。それは、愛する子から悪霊を追い出せるのはイエスの他にないという揺るぎない信頼を持って、「子犬でも、子どもたちのパンくずを頂きますと。」(27節)と答えた。
つまり、イエスは彼女を拒否されたのではなく、彼女の信仰を試されたのである。その結果、『「女の方、あなたの信仰はりっぱです。あなたが願う通りになるように」彼女の娘は、すぐに癒やされた』(マタイ15章28節)