「試練の中で学ぶもの」
出エジプト2章16−25節
モーセは、エジプトの王宮で40年過ごし、ミデイアンの荒野でさらに40年過ごしたが、荒野にてモーセが学んだこととは。
第1 質素な生活経験
モーセは、王宮で何不自由なく過ごした。しかし、荒野では質素な生活を余儀なくされたが、その経験は出エジプト後の荒野で民が飢えた時、神はマナとうずらの肉を朝と夕に毎日40年も与え続けられた。
ところが、民は飽き飽きしたと神に呟いた。しかし、モーセの荒野での生活経験は、いつも感謝できる良きリーダーとならしめた。
「今の世で富んでいる人たちに命じなさい。高慢にならず、頼りにならない富にではなく、むしろ、私たちにすべてのものを豊かに与えて楽しませてくださる神に望みを置きなさい。」(テモテ第一6章17節)
第2 孤独の経験
モーセはミデイアンの地で、チッポラを娶って幸せな家庭を築いた。しかし、エジプトにいる親、兄弟、同胞から遠く離れた地で、モーセは深い孤独を経験したはずである。しかし、その経験は信仰のリーダとして民を導くという孤独な戦いに打ち勝つための備えとなった。
第3 神との交わりの経験
異教のエジプトの王宮は、心静めて神と交わる環境ではなかった。しかし、モーセにとって荒野は神と深い交わりをするための最適な場所であった。
イスラエルの民がエジプト脱出後、厳しいシナイの荒野での40年の旅路にて、モーセは神との祈りを通して力付けられ、勇気づけられ、励まされたであろう。祈りなくして、心頑なで迷える幾百万の民をカナンに導くことは不可能であった。
私たちも、慌ただしい日々の生活の中で神の御前にしばし静まり、交わり、祈りの時を持とう。神と共に歩むならどんな所であっても、どんな事があっても、無意味に、あるいは無駄に終わることはない。そして、辛い時、悲しい時、苦しい時こそ神に近づくチャンスとなる。