「忍耐は希望を生む」 −奴隷から宰相へ−  創世記41章1−45節 2020.5/10 港教会 

「忍耐は希望を生む」−奴隷から宰相へ− 創世記41章1−45節  2020.5/10港教会

 前回は、ヨセフが献酌管長と調理管長の見た夢を解き明かし、献酌管長は見た夢の通りに牢獄から釈放されて元の地位に戻りました。ところで、ヨセフの夢の解き明かしの通りになった時には、私を思い出し、監禁されている家から出られるようにファラオ(エジプトの王)に言って欲しいと頼んでいた。
 しかし、献酌管長はヨセフのことをすっかり忘れていたのです。
 ヨセフは4年ぶりに牢から解放されるという千載一遇のチャンスを逃したのです。
 しかし、献酌管長には悪気もなく、ただ忘れていただけであった。とはいえ、献酌管長の無責任と無関心は、ヨセフを失望落胆させたことでしょう。ヨセフは人のために誠意を尽くし、人のために良いことをして来たにも関わらず、全く報われなかったのです。
 それから2年後、ファラオ(エジプトの王)が不思議な夢を見て、心が騒ぎ、落ち着きを失っていた。
 その時に、献酌管長はヨセフのことを思い出したのです。それで、ヨセフは王の見た夢を解き明かし、監獄から解き放されたのです。
 ヨセフが釈放されるまでの6年間の苦難は、ヨセフの信仰が練られ、そして忍耐を学ぶ期間となったのです。
 さて、今回の疫病によるパンデミックは、世界中に不安や恐れをもたらしています。そして、世界中で、ロックアウト、都市封鎖や自粛といった我慢が強いられているのです。
 先週、緊急事態宣言がおよそ1ヶ月延長されました。日本経済にとって大きな打撃であり、国民にもなお我慢することが求められたのです。
 何よりも皆さんと一緒に集まり、神様を礼拝し、共に交わり、共に励まし合い、共に信仰を支え合うという機会を1ヶ月ほど失われ、さらに、その機会を引き延ばされたのです。
 自粛対策とはいえ、感染の心配をしながら毎日仕事に出かける方、また生活のために仕事を辞めるわけにはいかない方、あるいは一日中家にこもらないといけない高齢者の方たち等、様々な事情の中で我慢することを延長されたのです。
 しかし、神様を信じる私たちは消極的な我慢ではなく、主にある忍耐(前向きに物事を捉えて耐え忍ぶ)によって、この苦難と試練を乗り越えて行きましょう。
 さて、ヨセフの夢を解き明かす賜物が用いられ、最終的にはヨセフは、奴隷からエジプトの宰相(総理大臣)に上り詰めたのです。
 まさに、「この方に信頼する者は、だれも失望させられることはない。」(ローマ書10章11節)とのみことばの通りになりました。
 私たちも、疫病による苦難を通して、より忍耐を学び、その忍耐の先にあるイエスの再臨と信者の携挙という素晴らしい希望を待ち望んで日々歩んでいきましょう❗️

「今の時の苦難は、やがて私たちに啓示される栄光に比べれば、取るに足りないと私は考えます。」(ローマ8章18節)