『目には目を、歯には歯を(Ⅰ)』  要約 ―教えの真意とは― マタイ5章38―39節 2022.9/25 港キリスト教会

 『目には目を、歯には歯を(Ⅰ)』  ―教えの真意とは― マタイ5章38―39節

            

「目には目を、歯には歯を」とは、報復の制限と抑止のためであり、被害者を擁護するだけでなく、被害者自身による必要以上の報復から加害者を守るものである(同態復讐法、同害復讐法:出エジプト21章23―25節)。

 

今日のアラブ諸国ユダヤ国家は、「目には目を、歯には歯を」の教えを、相互間の闘争においての報復を正当化し、容赦のない報復も正義であると理解しているようである。そのために聖書知識のない人々は、「目には目を、歯には歯を」という聖書の教えは厳しいものではと批判する人も少なくない。しかし、その教えはあくまでも、加害者と被害者間における決めごとであり、被害者による過度の報復を制限して加害者を守るものである。

 

さて、この「目には目を、歯には歯を」の真意については、「しかし、わたしはあなたがたに言います。悪い者に手向ってはいけません。あなたの右の頬を打つ者には左のほほも向けなさい。」(39節)のイエスの教えに反映されている。この教えは、この世に適用させる法律ではなく、あくまでも個人的に適用されるものであり、またそれは自負心、自尊心(名誉欲)、利己心等の否定なのである。イエスは、このみことば(39節)からキリストのしもべの精神とはどのようなものかを教えようとされたのではないだろうか。

「だれでもわたしについて来たいと思うなら、自分を捨てて(否定して)、自分の十字架を負い、そしてわたしについて来なさい。」 (マタイ16章24節)