MB伝道ニュース 第21号 2021年12月 「コロナ禍での教訓と宣教」

        「コロナ禍での教訓と宣教」


 第一次世界大戦の最中スペイン風邪が流行し世界で5000万人(8000万人とも)の犠牲者が出た。日本では、5600万人の人口で45万人が死亡した。それから、およそ100年後の新型コロナウイルスパンデミックです。

 今回のパンデミックから教訓を学び、ポストコロナの宣教に生かせればと願っております。

 

第1の教訓:人間にとって真に大切なものは何かを気づくチャンスです。

 今回のパンデミックで世界経済は失速したが、地球は青空と綺麗な空気を取り戻したが、人類共通の課題はC O2削減です。経済優先、科学万能主義、あくなき欲望の追求の結果、C O2が増加し世界中に深刻な異常気象をもたらし、そして飽くなき欲望の追求が、人類存亡の危機を招いている。

 みことばは「人は、たとえ全世界を手に入れても、自分のいのちを失ったら、何の益があるでしょうか。自分のいのちを買い戻すのに、人はいったい何を差し出せばよいのでしょうか。」(マルコ8章36、37節)と教える。

 

第2の教訓:利益至上主義は個々人の真の価値を見失わせる。
 今回のパンデミックにおいて、多くの病院が医療崩壊に直面した。それは、病院経営の効率化の推進、非効率な病院は経営不振という烙印を押され、人工呼吸器、高価なE C M Oを補充ができず、医療従事者のカットが今回のパンデミックにツケが回って来たのではという見方がある。『何人かの者が憤慨して互いに言った。「何のために、香油をこんなに無駄にしたのか。この香油なら、三百デナリ以上に売れて、貧しい人たちに施しができたのに。」と彼女を厳しく責めた。』(マルコ14章4、5節) ところが、イエスは香油をささげた女に「わたしのために、良いことをしてくれたのです。」とご自分のために犠牲を惜しまなかった彼女を褒められた。利益至上主義や損得勘定によって人の真の価値を見失うのみならず、利益を生まない人間は役立たずと切り捨てられるというのが現在社会の風潮になりつつある。

 しかし、人間を造られた神は、何よりも個々人を愛され、大切にされる。「わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。」(イザヤ書43章4節)


第3の教訓:科学万能の時代であっても人間は依然無力な存在である。
 今回のウイルスは未知の分野が多く、罹患者の難しい対応に迫られた。感染して症状が軽く家で療養していた人が、短時間に悪化し死亡、また人工呼吸器をつける寸前までスマホをしていた人の肺が深刻な事態であった。若くても急変して亡くなられる。

 高度な医療技術の前になす術なしという状況もあった。コロナ離婚、コロナうつといった流行語が生まれる中で、世界はコロナ禍で翻弄された。もうコロナウイルス災禍も終息を迎えてほしいものであります。

 

 今回のコロナ危機において、人間にとって大切なものは何か、経済至上主義は人の価値を貶(おとし)めるものであることに気づき、そして人の無力さを認め、神を恐れ、悔い改める時ではないでしょうか。

「肉によって弱くなったため、律法にできなくなったことを、神はしてくださいました。神はご自分の御子を、罪深い肉と同じような形で、罪のきよめのために遣わし、肉において罪を処罰されたのです。」(ローマ8章3節)

 どんな疫病よりも恐ろしい罪から解放してくださるのは、罪なき神の御子イエスの贖いのみであります。これが私たちの宣教メッセージであります。

 コロナ禍において、礼拝をオンラインでという教会も増えました。Youtubeで配信された複数の教会の礼拝参加も可能となりましたが、多くの教会がコロナ禍での伝道活動に支障をきたす中、ノンクリスチャンも礼拝メッセージを聞くチャンスも広がったのです。

 今日福音は効率的な方法で伝播できるI T時代でもあります。今後は、ウイズコロナでの宣教をいかに取り組むかが鍵となるのでは。M B諸教会も格差(規模)が広がりつつある中、ビジョンや方策が違っても、各教会でできることからAction(行動)を起こし、「ピンチはチャンス」としたいものであります(因みに、港教会は中断していた聖書預言セミナーを近々再開予定)。