「弁明―人間関係」 第2コリント1章12―14節
パウロは、エペソからコリント教会に直行する計画が、マケドニヤ経由でコリントに行くという計画に再度変更され、コリント教会を軽視しているという誤解が生じたために、彼の弁明が12節からしばらく続いている。この箇所からの2つの弁明について学ぶ。
第1は、パウロの行動から不信感を抱かれた誤解についての弁明(12節)
パウロは誤解を解くために祈りつつ、コリント教会に弁明文を書き送った。その内容とは、自分は人間的な知恵によらず、神の恵みにより純真さと誠実さを持って行動していると良心をもって弁明した。
パウロは正真正銘、真実をもって自分の行動にやましいものや、暗いものは何一つないと断言したことは、コリントの信徒たちも伝わったはずである。
第2は、パウロの動機は不純であるという誤解についての弁明(13、14節)
パウロは、コリント教会を軽視するという不純な動機で、教会の訪問計画を再度変更したのではないと弁明した。彼の手紙からは、コリント教会の人たちを心から愛しているという真意が読み取れる。
それは、パウロがイエス・キリストに出会い、クリスチャンを迫害する者から愛する者に変えられた。その動機とは、彼自身が体験したイエス・キリストによる愛によるである。
「あわれみ豊かな神は、私たちを愛してくださったその大きな愛のゆえに、背きの中に死んでいた私たちを、キリストとともに生かしてくださいました。あなたがたが救われたのは恵みによるのです。」(エペソ2章4,5節)
パウロは、イエスにある真実な愛(アガペー)の体験により、神からの恵みがいかに素晴らしいものであるかを知るだけでなく、人間関係の中で生かされている。
私たちも、人間的な知恵や思いによる行動ではなく、神の愛と恵みによる純真さと誠実な思いを持って、お互いの交わりをより深めていきたいものである。