「ノアの大洪水まで100年の猶予」創世記7章1−24節 2019.6.2 港キリスト教会

 

「ノアの大洪水まで100年の猶予」創世記7章1−24節

  ノアの時代にいた人々は神の前に全く堕落し、ノアだけが神の前に正しく生きていた。そこで、神は大洪水によって人々を滅ぼすために、ノアに箱舟造りを命じられ、ノアは神の命令通りに100年以上かけて箱舟を完成させた。そして、神自ら箱舟の後ろの戸を閉じられた。では、神が戸を閉じられた意味について学びましょう。

 第1に洪水のさばきまでの猶予期間は必ず終わりが来る。ノアが箱舟を100年以上もかけて造った期間が、洪水のさばきから逃れる猶予期間にも関わらず、人々はノアの箱船造りに何ら関心も示さず、100年以上もあった救いの猶予期間を見過ごした。

 さて、主の弟子から始まった教会時代も今日で2000年以上もの歳月が過ぎ、信仰による救われるという恵みの時は、神が箱舟の戸を閉じられたように、イエス・キリストの再臨と神のさばきによる7年の大患難の到来により終わる。しかも、その時が切迫している。みことばは、「万物の終わりが近づきました。ですから、祈りのために、心を整え身を慎みなさい。」(ペテロの手紙第一4章7節)と勧めている。

 第2にノアの家族を大洪水から必ず守るために。40日40夜の雨で水かさが増え、ノアが人々の叫び声や悲鳴を聞いて、後ろの戸を開けないように神自ら戸を閉められたのではないか。もし、戸を開けるなら箱舟は沈んだであろう。神自ら戸を閉められたのは、神の警告に耳を傾けたノアの家族を完璧に守るためである。

 同様に神は、将来いかなる患難が来てもイエス・キリストを信じる者を守られる。「あなたは忍耐についてのわたしのことばを守ったので、地上に住む者たちを試みるために全世界に来ようとしている試練の時(空中携挙によって)には、わたしもあなたを守る。」(黙示録3章10節)

 第3にノアたちが自責の念を抱くことがないために。大洪水のさばきと箱舟の戸を閉じられたのは神の主権による。ですから、ノアたちが箱舟の外で起きている大惨事に憂いたとしても、その責めはノアたちには及ばない。私たちも罪による自責の念や罪責感に悩み苦しむことがあっても、キリストの贖いは、いかなる罪をも赦して下さるという神の主権による確かなものである。

 最後に、ノアの信仰から大切なことが教えられる。ノアは神が命じられた設計通りの箱舟を造ったので、船が90度傾いても元に戻る不沈船だった。私たちも、神のみことばに聞き従い、みことばに忠実に従うことによって、荒れ狂うこの世という嵐のただ中で、私たちの人生航路は神に守られて、やがて神の国というゴールに安全に着岸させてくださるのである。